健康的で透明感のある、みずみずしい肌は、多くの方が憧れるものですよね。
しかし、年齢を重ねると肌の潤いやハリが失われ、シミやくすみ、乾燥といった肌トラブルが多発していきます。
毎日のスキンケアを丁寧に行っても、市販の商品のスキンケアだけでは改善が難しいこともあります。
お悩みに合わせて、内服薬や外用薬を使って治療を行ってきましょう。
メディカルスキンケアとは?
メディカルスキンケアとは、肌の悩みを改善するために医療の力を使ったスキンケア方法です。
一般的なスキンケア用品は、薬機法という法律に基づいて、医薬品や化粧品、医療機器などに分類されており、それぞれに効果や目的があります。その中でも「医薬品」は、病気の治療を目的とした薬で、厚生労働省が認めた成分が含まれています。
メディカルスキンケアでは、この医薬品を使い、内服薬や外用薬(クリームやローションなど)を組み合わせて、肌の悩みに最適な方法でアプローチしていきます。これにより、普段のスキンケアでは改善しにくいトラブルを改善していきます。
そもそも肌の構造ってどうなっているの?
私たちの肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層でできており、それぞれが異なる役割を持っています。

表皮(ひょうひ)ー肌を守るバリアの役割
表皮は肌の一番外側にあり「紫外線やホコリ、細菌などの外部刺激から肌を守る」「体の水分が蒸発するを防ぐ」という役割をしています。
表皮はさらに4つの層に分かれてます。
1.角質層(かくしつそう)
→お肌の一番外側にある非常に薄い層で、体を守る「バリア」のような役割をしています。
・屋外からの細菌や紫外線などの被害を防きます
・肌が乾燥すると、この層が乱れバリア機能が低下します
2. 顆粒層(かりゅうそう)
→肌の表面(角質層)のすぐ下にある層で、皮膚のバリア機能を作る大切な役割を持っています。
・「細胞間脂質(セラミドなど)」も作られます
3. 有棘層(ゆうきょくそう)
→肌の厚みをつくる層で皮膚をしっかり支える重要な役割を持っています。
・アレルギー反応(かぶれなど)が起こるのはこの層が関係しています
・「ケラチノサイト(角化細胞)」という細胞が多く存在し、肌のバリア機能を強化し、外部からの刺激や肌を外敵から守る免疫機能を担います
4. 基底層(きていそう)
→肌の最も内側にある層で、新しい肌細胞を作る大切な部分です。
・「基底細胞」という細胞が絶えず分裂し、新しい細胞を作っています
・紫外線を浴びたときにメラニン色素を作り、紫外線から肌を守ります。シミはこのメラニン色素が肌に沈着し黒っぽく斑点として現れます
真皮(しんぴ)ー肌の土台
肌の土台となる部分で、表面の「表皮(ひょうひ)」のすぐ下にあります。
皮膚の大部分を占め、皮膚層の中で一番厚い部分です。
コラーゲンという線維状のタンパク質がその大部分を占めています。
・コラーゲンやエラスチンが肌の柔軟性を支えます
・ヒアルロン酸が水分を伝えます
・毛細血管が栄養を届けます
・神経があり、痛みや温度を感じます
皮下組織(ひかそしき)ークッション
肌の一番深い部分で、皮膚の下にあるクッションのような役割を持つ層です。
主に脂肪(皮下脂肪)や血管、神経、コラーゲン繊維構成されています。
・体温調節の役割があります
体の内側と外側からアプローチしよう
薬には口から飲む内服薬と皮膚に塗ったり貼ったりする外用薬があります。
美肌治療で使用される内服薬と外用薬はどんなものがあるでしょうか?
内服薬
ビタミンC(シナール錠)
- 効果:メラニンの生成を抑制、シミの予防、コラーゲンの生成促進、皮脂のコントロール
- 副作用:胃の不快感、下痢など
定期的に飲むことで効果を発揮する
過剰過剰摂取はNG
ビタミンB群
- 効果:肌荒れ、ニキビ、湿疹の改善、肌のバリア機能を強化、シミやくすみを予防、皮膚や髪の健康をサポート
- 副作用:腹部の膨張など
長期間続けることで効果を発揮(即効性はないため)
ビタミンCやL-システインと一緒に摂ると、美肌効果が起こりやすい
L-システイン(ハイチオール)
- 効果:シミや色素沈着の改善、肌のターンオーバーを促進、抗酸化作用(老化防止)、デトックス効果
- 副作用:胃腸の不調、吐き気など
ビタミンCと一緒に摂取すると効果的
継続的に飲むことで肌の調子を整えやすい
過剰摂取はNG
ビタミンE(ユベラ)
- 効果:シミ・くすみの改善、冷えや肩こりの緩和、抗酸化作用(老化防止)
- 副作用:便秘、胃の不快感など
ビタミンCと一緒に摂取すると効果的
継続的に飲むことで肌の調子を整えやすい
過剰摂取はNG
トラネキサム酸
- 効果:肝斑肝斑(かんぱん)の改善、シミ・そばかす・色素沈着の予防、肌荒れ・炎症の抑制、美白効果
- 副作用:食欲不振、胸やけなど
継続的に摂取することで効果が出やすい
ビタミンCやL-システインと一緒に摂取すると、美白効果が起こりやすいです
外用薬
ヘパリン類似物質クリーム(ヒルドイド)
- 効果:肌の乾燥を防ぎ、血行を促進する
- 副作用:かゆみ、紅潮、発疹
ハイドロキノン
- 効果:メラニンの生成を強力に抑え、シミ・そばかすを薄くする
- 副作用:赤み・皮むけ、肌への刺激が強い場合あり
トレチノイン
- 効果:ターンオーバーを促進しメラニンを排出、シミ、しわ、ニキビ跡の改善に最適
- 副作用:乾燥・赤み・皮むけ
まとめ
シミや肌トラブルが気になる方には、内服薬と外用薬を組み合わせたスキンケアが効果的です。
メディカルスキンケアも美肌になるための一つの方法として考えてみましょう。


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